MITSUBOSHI Salone

2018.02.22
MITSUBOSHI
Salone 6th
Guest(写真左から)
NAGAE+ 鶴本晶子氏
印染杉下  関本明子氏
木村硝子店 木村武史氏

佐川ヒューモニー株式会社は2018年2月22日、東京・渋谷「Plug and Play Shibuya」にて「MITSUBOSHI Salone 6th」を開催しました。

第6回のゲストは、プロ仕様のテーブルウェア分野で、オーソドックスで使いやすいデザインのグラスをつくり続けている「木村硝子店」の代表 木村武史氏、富山県高岡市「NAGAE+」の取締役兼COOでありブランドマネージャーである鶴本晶子氏、京都「印染杉下」のアートディレクター関本明子氏(株式会社DRAFT所属)の3名をお迎えして、各ブランドのコンセプトやものづくりに対する<想い>を語っていただきました。

「NAGAE+」のブランドコンセプトは「美という光で世界を輝かせる」です。オブジェにもなるマッサージツール“コリネットリンプ”も好調な売れ行きを見せていますが、昨年11月トランプ米大統領が来日された際に、安倍首相夫妻からメラニア夫人への贈りものとして選ばれた品が「NAGAE+」の錫のブレスレットだったことは記憶に新しいところです。
10年前に日本のものづくりの技術が失われそうになった工場を見事に再生させたプロジェクトに関わったことが大きな転機となり、幅広いネットワークができた経験から、日本のものづくりに携わる人がもっといろいろな会社や工場と協業することで生き残る道は必ずあると鶴本氏は言います。

スギシタ有限会社は京都で古くから続く印染の会社で、社寺幕や祇園祭の鉾の幕をはじめ半纏やのぼりに家紋などを染めてきましたが、ある時から仲間の会社が次々と潰れ職人が辞めていくのを見て、自分たちの染の伝統技法を残すために新しいことに挑戦したいとの想いからアートディレクターに株式会社DRAFTの関本明子氏を招き「印染杉下」のプロジェクトをスタートさせました。
コンセプトは「笑顔のしるし」です。関本氏は印染の技術を生かし、色数を絞り、ハレの日にふさわしい干支や縁起物の図案だけを使って、幅広い年齢層に受け入れられる実用的且つグラフィカルな紋様のハンカチと風呂敷をデザインしました。これらは海外の方への贈りものとしても喜ばれているそうです。

800以上もの自社デザインのグラスをつくり続けてきた「木村硝子店」代表の木村武史氏は、 自らもグラスのデザインに携わっています。“売れる”商品より、常に“つくりたいものをつくる”という信念をお持ちの方です。
長年にわたり培ってきたガラスの知識、世界各国の工場を見てきた確かな目があるからこそ言えるのではないでしょうか。飲食業界のプロの評価は高く、実際にバーテンダーの7割が木村硝子店のグラスを持ってコンテストに出ているそうです。木村のグラスのちょっとした違いやこだわりを感じ取っている証と言えます。

日本人は流行りものに弱いと言われています。自分に自信がない人ほどその傾向が強いようですが、西洋は違います。自分が良いと思えば良いわけで、評価が早い。今回のゲストは皆、海外で高い評価を得たものづくりのスペシャリストたちです。
海外に出てあらためてわかったことは日本のものづくりの素晴らしさだと言います。放っておけば廃れていってしまう伝統的な技術力ですが、共創、協業することで新たな価値を創造する。時には最先端の技術を活用し、現代のライフスタイルに合った商品を開発すれば世界が共感する。伝統とは革新の連続であると言われる所以です。
当然苦労も多いはずですが、ゲストの方々は自ら楽しみ、お客様や地域に喜ばれる商品をつくり続けています。日本のものづくりがどのような進化を遂げていくのか、今後の展開に注目です。